「専門家」 「プロ」 と呼ばれる人

ある機関で研修会があり
ある機関から臨床心理士の方が講師として招かれました。
その方は病院から紹介された方を主にカウンセリングしているとのことでした。


受講者の皆さんは、いろいろな機関で相談活動をされている方たち。
日ごろの相談活動に役に立つ話が聴きたいと集まった方たちです。

私も、少しでも勉強になるならという思いで
受講させていただきました。



題目には表現されていたなかったのですが
お話の中身は、「発達障害の人たちについて」というものでした。

聴講していて、とても辛くなる内容でした。

その方のお話されていることが「的を得ているから」・・・
ということで辛くなったわけではなく
あまりにも発達障害の人たちについての理解がなさすぎる
発達障害についてうわべだけのことしか知らなさすぎる
ということが伝わってきて
怒りと悲しみの気持ちがこみ上げてくるのを
2時間、ずっとこらえていました。



その方は、「自分は発達障害の専門家ではないけれど」
とおっしゃっていました。

たまたま発達障害の方たちのカウンセリングをしたり
電話対応をすることがよくある・・・ということでした。


発達障害を持つ人たちや、その傾向がある人たちに対して
理解したい・・・という気持ちがないことは
話の内容や、言葉の端々からとても感じられました。


私は、相談員として受講させていただきましたが
発達障害の特徴をもった子どもを持つ母親でもあります。


発達障害について、
少しでもわかりたい、理解しようという温かい関心を
全く持とうとされない人が
なぜ、「講師」として
よく知らない「発達障害」のことについて
たくさんの相談員の人たちに講義しているのか

私にはとても疑問で、腹立たしくて
残念な気持ちでいっぱいになりました。




「臨床心理士」として20年近くメンタルケアの現場にかかわっている・・・

そんなプロフィールを紹介されてしまうと
聴講している人たちは
「専門家」が言っていることなのだから・・・と信用してしまいます。

それも、今回は「相談員として活動している人たち」
を対象にした研修会です。


発達障害の当事者のお子さんや、大人の方たち
その親御さんや、真摯にかかわっていらっしゃる周囲の人たちが
今までどんな思いでがんばってきたか
がんばろうとしているか

何もわかろうとはしない「専門家」に
土足で踏み込んでこられて壊されたくはない
と、心から強く感じました。




このことは、「発達障害」に限った事ではなくて
他のいろいろなところで
当事者の方たち、周囲の人たちががんばっていることを
あまりにも理解していない「専門家」の発言は
とても危険だと私は強く思います。


「専門家」 「プロ」 という肩書がついているということは
その人が発する言葉や情報に
ものすごく影響力があるということなんだということを
今回の講師の臨床心理士は、考えていたのか疑問です。



最後の質疑応答で
発達障害児の母親としての思いをお話しました。

講師の方は、顔をこわばらせながら
「申し訳ありません」
とおっしゃっていました。



悲しい気持ちや残念な気持ち、怒り・・・
今も自分の中に残っているのですが

だからこそ、これから自分にできることは何だろうと
静かに思っています。







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この記事へのコメント

M
2010年11月19日 23:50
とても残念なお話です。
マイコさんのお気持ちを完全にはお察しできないかもしれません。それでも、大変なお時間を過ごされたこととお察しいたします。

「発達障害の専門家」は本当に少ないと思います。
そして、精神科の先生のなかでも、専門家の先生を発達障害を問題にしすぎているとお考えの方もいらっしゃるように感じています。人にレッテルを貼ってしまう難しさ、受け取る側の気持ち態度もさまざまで、発達障害を知らせず、2次障害の治療のみをされる先生もおみえのようです。

講師の方には本当に納得いきません。
「自分は発達障害の専門家ではないけれど」と自覚していて、発達障害の方たちのカウンセリングをしたり電話対応をするするならば、せめて、少しでもわかりたい、理解しようという温かい関心をもち、専門家になる努力をして欲しいものです。でなければ、電話相談・カウンセリングはやめて欲しいし、相談員という方たち相手の講習会で講師をつとめ、間違った理解に引きずり込んで欲しくありません。

質疑応答での発言くらいでは、マイコさんのお気持ちはおさまらないのではと思います。
講師の方は、「申し訳ありません」て本当に思っているようには思えません。

本当にマイコさんの言葉に理解を寄せてみえるならば、表情は「顔をこわばらせながら」ではなかったと思います。現場にいないのでなんともいえませんが。

最近のTVでの大人の発達障害の取り上げ方にも納得がいきません。
いつも違う、おかしいと腹を立てながらみています。
書いていて、自分が腹が立ってきました。

本当にお疲れ様でした。というのも変ですが。
本当の良き理解者が増えますように。(祈)
長々と勝手な事を書いてすみません。
keiko-p
2010年11月21日 07:22
こんにちは
その臨床心理士の方が「申し訳ありません」と言うほど残念な講義の内容だったのでしょうね
謝るくらいなら、講義しないで欲しいです。
きっと、他の皆さんも同じように感じていた方も多かったのではないでしょうか?
難しい分野ですが、自分の言葉に責任を持ってプロ意識を
いつも追い続けていくべきですよね。
本当に当事者の方の支えになれる人が増えてくれたら・・・と私も切に思います。
2010年11月22日 17:06
>Mさん

>いつも違う、おかしいと腹を立てながらみています。

きっと、当事者の方たちやご家族、もしかしたら自分もそうかもしれないと悩んでおられる方たちの多くが、Mさんと同じように感じていらっしゃると私も感じています。

発達障害について語られるようになったのはまだまだ最近で、間違った認識が広がっているなぁと感じることもよくあります。
まだまだこれから周知されていくものであるだけに、専門家と肩書のついている人たちには、間違った情報発信だけはしないように注意を払ってほしいと心から思います。

その講師の方も、きっと少しは気付いていただけたのでは…と思っています。そう願っています。
2010年11月22日 17:11
>keiko-pさん

私以外に当事者家族や真摯に支援に携わっていらっしゃる受講生さんがいたかどうかはわからないのですが、
少しでも講師の方の言われたことに疑問を持ってくださる人たちがいるといいなと願っています。

>難しい分野ですが、自分の言葉に責任を持ってプロ意識をいつも追い続けていくべきですよね。

本当にそう思います。
メンタルの分野は目に見えたり触ったりできるものではないだけに、プロ意識を持つことの大切さがどうしても薄れがちのような気がします(^^ゞ
自分も含めて、気をつけていこうとあらためて思いました。
fairy
2010年11月23日 06:40
肩書きをもった人って人のこころの理解が二の次になっているってよく感じます。
人のこころを理解するのに
壁はないし、病気もないし、障害もないって思うんです。
その人を分りたいって思う気持ちだけなんですよね。。。
心理学ってそれをデーターにしてしまうから
おかしくなるんですよね。
2010年11月23日 11:31
>fairyさん

「心理学」=「臨床心理」ではないし、統計学やデータとしての知識がそのまま自分や目の前の人に当てはまるのかといったら、決してそんなことはないんですよね。

「心理学」も統計・知識も、心理療法も、道具であって目的ではないと思うんです。
「その人を分かりたいって思う気持ち」
ほんとにそうだなぁと思います。

fairyさん、ありがとう~
たまま
2010年12月04日 08:03
マイコさん、はじめまして。
たままと申します。
遅ればせながら30代後半にして、再度臨床心理学の大学院一種校受験を目指す発達遅滞(知的障害も伴う)児の母です(大学では臨床心理学専攻)
突然おじゃましまして、申し訳ありません。

クライエントは自らの悩みや障害に加え、なにより周囲の無理解に傷つくんだと思います。そのことを一番わかっていなければならないのが臨床心理士なのに、無神経ですよね。
マイコさんのご指摘が、先生の心に響くことを、願っています。

私も娘の療育経験をすべての臨床に敷衍させるんじゃなく、悩む方の状況によりそえる人になりたい、と改めて思いました。
2010年12月05日 19:27
>たままさん

はじめまして(^-^) コメントありがとうございます。

たままさんは臨床心理士目指してがんばっていらっしゃるのですね。
障碍のあるなしに関係なく、みんながそれぞれに安心した時間や場所で過ごすことができるように
ぜひクライエントさんの状況や心情に寄り添える臨床心理士さんになっていただければ嬉しい限りです。

また良かったらお立ち寄りください。
ありがとうございます(^-^)ノ