「支援」

我が家のひとり息子は高校一年生です。

彼には注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴があって
アスペルガー症候群の症状に似た部分も持っています。



日常生活では、他の多くの人たちよりも
膨大なエネルギーが必要になっちゃうこともたくさんあったりします。


忘れ物をしないようにすること。
人の話を注意して聞きながら、大切なことを聞き洩らさないように
すること。
一度に複数の指示を聞いて、それを順番にこなすこと。
その場の状況に応じて優先順位をつけること。
時間の管理をすること。
先の先まで見越して、要領よく段取りをすること。
モノを探すこと。
整理整頓した状態を保つこと。
人の発する言葉の奥にある、その人の感情を読むこと。
「それ」「そこ」「どう」・・・っていうアバウトな言葉の意味を察すること。
人の動作の真似をすること。


などなど

そんなことが彼はものすごく苦手です。


不安になると、部屋の中をうろうろします。
本人曰く、そうしないではいられないんだそうです(^^ゞ
(教室ではイスに座っていられますけど・・・)

同じように、不安になったり焦ったりすると
爪を噛んだりします。
なので彼の手の爪は、年中ボロボロです(^^ゞ

それではおさまらないときには
少々パニック気味になることも。
(中学3年くらいからは、ほとんど無くなりました^^ )




そんな彼ではありますが

興味のある物事に対する集中力は半端ではありません。
いったん覚えたものは忘れないです。
面白いと思ったCMやアニメ、ドラマのセリフは
一語一句間違えずに言えたりします。
なので、学校の先生のモノマネは得意中の得意です(笑)

難しいプラモデルも
説明書?をチラッ・・・と見ただけで作ってしまいます。

博学で、どこでそんなこと覚えたの??
とびっくりするようなことを言ったりもします(^^ゞ

ボールとかを使ったスポーツは苦手だけれど
走るのは大好きで、陸上部でめちゃめちゃ頑張ってます(^^ゞ


幼い分純粋で、来るもの拒まず
誰にでも優しい、意外といいヤツだったりもします(^-^)




彼には小学校5年生のときに告知をしました。

今の彼なら、きっと大丈夫・・・
そう思えたのと、
母親である自分も、彼の持っている特徴を受け入れる覚悟が
しっかりできた・・・と思えたのが理由です。


最初は「障害」という言葉のつく自分の状態にショックだったようで
しばらくは神妙な表情をしていましたが

「どうして自分がこうなっちゃうのか理由がわかって良かった」
と言ってくれて
母の自分も少しだけほっとしたのを思い出します。




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こんなふうにいろんなハンディーキャップがある息子ですが
ひとつだけ、彼と約束したことがあるのです。


「出来ないことを、ADHDを理由にして
 最初からあきらめることはしない」



努力・根性では難しいけれど
どうやったら上手くいくか方法を探して工夫してみよう。
(頭では覚えていられなくても、メモに覚えておいてもらう・・・とか)

必要な時、快く協力してもらえるように
自分から人にお願いできる自分になろう。

自分では「?」「おかしい」と思ったことでも
相手のことを決めつけたりしないで
わからなかったら聞いてみよう。
(どちらが良い・悪いではなく、聞かないとわからないこともあるんだよ)

人はこんなときこんなことを思ったりしたりするんだな・・・
と、経験の中で少しずつでいいから覚えていこう。



見ていて大変だな~と思うこともあるし、
彼の気持ちを思うと胸がチクン・・・とするときもあります。

代わってやれるものなら代わりたい・・・と思っても
どうしてもそれは無理なんですよね(:_;)


それでも
こういうことがこれから先の彼の自信に少しずつ繋がっていって
彼の持っているいい部分を生かしてくれるんだ・・・
と思っているのです。





>>>


あらためて発達障害についての勉強を始めているのですが
支援の在り方にやっぱりどこか歯がゆさを感じている自分がいます。


出来ないのだから助けてあげよう
出来ないのだから理解してあげよう
大変なのだから、心地よい環境を作ってあげよう
可哀想だから、親切にしてあげよう

そんな声ばかりが聞こえてきそうな「支援」が多いような気がします。


地方自治体が主催の
保育園、幼稚園、学校の先生たちの勉強会はありますが
そこに当事者本人やその家族はいません。

あちこちで支援者向けの研修会があっても
やっぱり当事者・家族はいません。

その一方、
当事者向けのセミナーは探してもなかなか見当たらないし
家族向けのセミナーも、あっても単発講座だったりします。


当事者や家族から離れたところで
「支援」という名の研修会がどんどん開かれている・・・

そんな状況が、正直とても不思議です。




「診断」にしてもしかりで、

障害の名称を知るために、原因を知るために
診断があるのではなくて
そこから先をどんなふうに工夫していったらいいかを
考えていくために診断があるのではないかと自分は思っています。

どうもその部分が抜け落ちているような気がするのです。




出来ないのだからとずっと助けてもらって
出来ないのだから理解してあげようと思われ続けたら

私だったら自信なんて失くしてしまうかもしれません(:_;)


自分の持っている特徴を知って、
自分自身で少しでも工夫をしながら自分らしく生活ができること。

そのための「診断」であったり「支援」であったり
「セミナー」「研修会」であったりしてほしいな。

息子がADHDだと知った何年も前からずっと思っています。




そして私たち家族も同じです。

社会が変わってくれなくては。
人が理解してくれなくては。
人が助けてくれなくては。
環境を変えてもらわなくては。

それだけではだめなんだよなぁ、とよく思います。


発達障害は目に見える障害ではないので
なかなか理解してもらえない部分があって
もっともっと世の中の人たちに、教育現場や職場に
発達障害を知ってもらえたらと私も心から願っています。

でも、それだけでは
いつまでたっても、大切な自分の家族は自信を失くしたままです。
誰かの助けがないと、理解がないと
自分は何もできない・・・
と勘違いしたままになってしまいます。




努力・根性では難しかったり出来なかったりすることも
工夫次第で少しはなんとかなる。

そんなふうに思えることで
自分のいいところに、もっともっと目を向けられるように
なっていってほしいなぁ~


これからは、そのための勉強をしよう。



そう心に決めた今年の春です。







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この記事へのコメント

emiry
2010年05月27日 07:44
あなたは、本当に素晴らしい、最高のお母さんですね。
ブログを読ませていただいていて、胸がつまって涙が出てきました。あなたの息子さんを抱きしめてあげたいと思いました。あなただからこそ、彼をサポート出来て、だから、お子さんはあなたのもとに生まれてきたのでしょうね。子どもとの触れ合いは、未熟な自分を成長させてくれる。私は、そう思っています。頑張ってくださいね。精一杯、お子さんを愛してくださいね。
おたふく
2010年05月27日 11:04
大盛りの更新!ずっしり読み応えありました*^^*

>出来ないのだから助けてあげよう
>出来ないのだから理解してあげよう
>大変なのだから、心地よい環境を作ってあげよう
>可哀想だから、親切にしてあげよう

>そんな声ばかりが聞こえてきそうな「支援」が多いよ>うな気がします。

ちょっとした書店にも 発達障害のコーナーが設けられるようになってきた この頃ですが・・・・。
学校の先生など指導者向けに書かれているなあと思うような本は マイコさんのおっしゃるような視点が 前面に出ていたり 発達障害に触れ始めた人には 誤解を与えそうな感じが私もしています。


私がごちゃごちゃ言うまでもなく
マイコさんが 全て語ってくださっていて
なんだかすっきりしました!!

私は 我が子の理解と受け入れする事で 精一杯な人なんですけど
マイコさん これからも 勉強されて気づかれたこと記事にして下さいね。



まゆこ
2010年05月29日 21:48
本来の障害とは別に2次的障害と言うものがあります。これは環境によって作られます。たとえば親の養育態度(過保護・過干渉)や障害の無理解による社会・友達からのいじめなどがあります。支援者の態度も然りです。
良き支援者は、その方が本当に必要な事を必要な分だけ支援します。そして常にその方の可能性に目を向け、支援の質と量を判断していきます。その方の人生はその方のものであり、ご自身の力を十分発揮して幸せに生き抜いていく権利があります。その足を引っ張るような支援だけはしてはいけないといつも思っています。
2010年05月31日 17:09
息子は中学3年生、来年は地元の養護学校に進学予定です。
保育園の年中のころに担当の保育士さんから相談~懇談を頂き病院で認定されました。
受け入れる抵抗が全く無かったわけでは有りませんが「遺伝されるんです」の言葉で自分を振り返り納得しました。(私も母親も思い当たることが一杯)
 今はADHDと言う名前と起こりうる問題点だけがクローズアップされていて一人歩きしているように感じます。
 市会議員・県会議員の方々とも色々と話をしてきましたが・・・。

 私はADHDの人を援助・支援する世の中ではなく色々な人が存在するのは当たり前で廻りの方々は自然に対応してくれる様な世の中になってくれればと思っております。

ブログも少しかじっておりますがADHDに関しては書き込んでは降りません。自分たちから見れば普通に息子ですし逆に他の子供たちに無いすばらしい物を持っております。(ただ、今後の彼のライフスタイルをどうするか?・・・。)

又、お邪魔させていただきます。

43歳 父親 長野県で暮らしております。
キング?カズ
2010年06月02日 20:08
息子さんは記憶力とか先生の物まねとか普通の人にはない才能を持っていると思います。すごいです。本日のブログで支援というのが難しいと感じました。発達障害の方にもいろいろな個性があるし、障害の特性があります。ただ知識を身につけるだけでなく、1人の人間として、彼らの才能を伸ばすことができればいいと思います。簡単なことではありませんが。
2010年06月06日 11:37
>emiryさん

温かいコメントを下さって本当にありがとうございます。
恐縮しすぎて、入る穴があったら入りたい… 被れる袋があったら被りたい…気分でございます(^^ゞ

気が付いたら「妖怪大怪獣鬼婆!」に変身してる…なんてこともたびたびで(大汗)
試行錯誤の毎日なんですけど…
親も修行かなぁと思ったりもしています(^^ゞ

きっと、どこのお父さん・お母さん・ご家族も、同じように頑張っていらっしゃると思うので、根詰めないようにしながら、なるべく明るく元気に頑張れたらいいなぁ…と思っています(^-^)
emiryさんのコメントに元気をもらいました。ありがとうございました
2010年06月06日 11:50
>おたふくさん

こんにちは~(^-^)
昨日の晩、「洗濯機内 生徒手帳ちりぢりバラバラ事件」が勃発して疲弊しているマイコです(笑)

>学校の先生など指導者向けに書かれているなあと思う
>ような本は マイコさんのおっしゃるような視点が
>前面に出ていたり 発達障害に触れ始めた人には 
>誤解を与えそうな感じが私もしています。

そうなんですよね(^_^;)

う~ん…なんか抜け落ちている…
本当に「支援」をお願いしたいのは、「理解」を願っているのは、そこじゃなくって…
と、
蚊に刺されたところと違うところを掻いてもらっているような? 違和感のような物足りなさのような?感じがよくしたりしています(^^ゞ

でも、長年一緒に生活している家族だって良く分からない部分があったりするんですから
そうじゃない人たちにいきなりその部分を分かって…というのも、そりゃあ難しいよなぁ…とも思ってみたり(^_^;)

専門家?の視点からだけじゃなくて、当事者や家族の視点も入った発達障害支援の本とかを
多くの人に読んでいただけたらいいなぁ、
当事者・家族からかけ離れたところでの研修会じゃなくて、もっと一緒に勉強できるような研修会が増えてくれるといいなぁ、
そんなことをずっと思っていたりします。
・・・という自分がまだまだ勉強不足なんですけどね(^_^;)
2010年06月06日 11:57
>まゆこさん

調子はいかがですか~?
順調に回復されているといいなぁと願っています(^-^)

まゆこさんは、とっても素敵な支援者さんだと思っています。
まゆこさんみたいな人たちがたくさん増えて、支援・援助職の仕事に就いて下さったらいいなぁと思います。
当事者の人たちや家族の多くがが一番欲しいと願うのは
「自立」のためのスキルや環境だと思っています。
その部分を一緒に探してくれたり考えてくれたり工夫するのを手伝っていただけたら、本当に幸せだなぁ…と
よく思います。
そのためにも、私たち家族だって学んだり何かしなくちゃ…と思うんですよね(^-^)
学びの場所、もっと増えないかな~
2010年06月06日 12:09
>むらもくさん

コメントありがとうございます(^-^)

長野県はスキーで大変お世話になっております。
とってもいいところですよね~
むらもくさんはバイクがとってもお好きなんですね♪
車で走っているとよくツーリングの集団を見かけるんですけど、「かっこいいなぁ~」とついついうっとり眺めてしまうんですよね(*^-^*)

発達障害があってもなくても、いろんな人がいることは本当に当たり前のことなんですよね。
ただ、どうしても社会生活では多数派とマイノリティーになってしまうのが今の現実でもあったりするのが
悩んだり困っていたりするところでもあって
息子と話をしていても、行きつくところはその部分になってしまいます(^_^;)

発達障害を持っているから劣等感…っていうんじゃなくて、発達障害と仲良くしながら、発達障害の凸の部分をいっぱい生かしながら
その他大勢の人たちとも共存していく方法、ツールを
見つけたり、工夫して作ったりしていきたいなぁ、
そしていずれは大人になる息子自身も、それができるようになってほしいなぁ、
そんなことを思いながら息子と付き合っている今日この頃です(^-^)

私もまたむらもくさんのブログにおじゃましますね~
ありがとうございます(^o^)ノ
2010年06月06日 12:18
>キング・カズさん

コメントありがとうございます(^-^)

「支援」っていう言葉が独り歩きしてしまうと
本当に支援を必要としている人がおいてけぼりになってしまうよなぁ…と
発達障害だけじゃなくて、いろんな活動をしていてもよく感じています。

まずは、どこが困っていて、どの部分に支援・援助が必要だと当事者の人が思っているのか。
支援や援助が、その人の自立した生活に繋がっていくものなのか、
とりあえずの応急処置のようなものなのか、
それを少しでも知るところから始まるのかなぁ。
そのためには、やっぱり当事者の人からかけ離れた場所での研修や勉強会だけじゃ足りないんじゃないのかなぁ。。

そんなことを思っていたりします。

じゃあ、家族でもありカウンセラーのひとりでもある自分はこれからどうしたらいいのか??

なんですよね(^_^;)
きらきら
2010年11月11日 12:38
はじめまして。
この記事を見て、泣けました。

私は、3歳の息子の母です。
息子は少しADHDっぽく、
保育園で苦労をしているようです。
私たち周りが
彼の特徴を理解して、
工夫をして上げられれば、
もっと生きやすくなるのに…
と思っていた今 このブログに
出会いました。

気持ちを代弁していただいたような気分です。
ありがとうございました。
2010年11月11日 17:11
>きらきらさん

こちらこそコメントをありがとうございました。
3才の息子さん、保育園でがんばっているんですね(^-^)
何より一番そばにいてくれるお母さんのきらきらさんが、息子さんの苦労を理解したいと思ってくれているのが
息子さんにとっての大きな安心感・チカラになっていくんじゃないかなぁと感じています。
育児って、本当に大変ですよね(^_^;) 発達障害を持っているとなおさらだったりしますけど…
でも、面白いこと、楽しいこと、幸せ気分になれることも、たくさんプレゼントしてくれるのもこの子たちだったりするんだなぁ。。と、今までの育児を振り返ってみてとっても思います。
一緒に前向いて(たまには落ち込んで…(^^ゞ)、子育てしていけたらいいですね。
きらきらさん、ありがとうございます。